ある寒い冬の日の9時半、生徒がドアを開けた!「アッ」という間に外に飛び出した。
近くの小船山公園にいた生徒のお母さんが、「テールを皆で捕まえようとしたけれど捕まりませんでした。すみませーん!」と連絡をくれた。
千曲駅の近くに住む生徒のお母さんからも「テールがいました。どう見てもあれは先生のところのテールです。
東山に走って行っちゃいました。」という連絡。
4時を過ぎても戻らないので、とうとう私は警察に連絡した。
警察の方に状況を説明していると、玄関のベルが鳴った。
ドアを開くと、知り合いのK先生と先生のお友達とテールがいた。
テールは軽い足取りで悠然と部屋に入ってきた。警察の人に帰ってきた旨を伝え電話を切った。
先生方から経緯を聞くと、テールはパチンコアサヒの駐車場にいたそうだ。
K先生たちがテールに気づくと、テールは先頭に立って先生たちを我が家まで案内してきてくれたそうだ。
散々遊んで帰る気になったところで知り合いに会ったということか?
とにかく安堵し、お礼を言っていると、電話のベルが鳴った・・・警察からだった。
「内川の人からダルメシアンみたいな犬が走っていた!という通報があったし、国道18号線も少し渋滞したそうです。気を付けてください!」
と言われてしまった。
テールの軌跡を辿ってみた。
家から小船山公園までは近いし、朝の散歩コースだからいつものこととも考えられるが、
交通量の多い千曲線を越え、国道18号を超え、しなの鉄道の踏切を超え東山を駆け再び渡り返し
パチンコ屋の駐車場でふらついていたとは恐れ入った。
こんなこと、イングリッシュポインターなら容易なんだろう。
でも人様に迷惑をかけたし、車に轢かれることだってある。
私だって一日中心配で心が休まらなかった。命が5年くらい縮んだと思う。



第4話 テールの大冒険②
2024年3月4日

