大池自然の家は2月のこの時期、人がいない。リードを外して好きに走らせる。
サンポやアン、ウールはじゅん先生と一緒につかず離れず歩いているが、テールは違う。
リードを取ると広場を3週くらい走って山の中へ消えて行く。
途中、山を登っていると後ろからドドド・・・と音がしたかと思うと突然姿を現し疾風のように走り去っていくのだ。
ある時は鹿の足をくわえて来た。どこかで死んだ鹿を見つけたのだろう。
最近は鹿のしゃれこうべをくわえて戻ってきて車に乗り込んだそうだ。
野生の血が騒ぐのか、時々ぎょっとさせられる。
初めのころはテールだけ、どこに行くかわからないので5mのロングリードで散歩させた。
3匹のレトリバーは自由に走らせているのにかわいそうだが仕方なかった。
半年くらいたって呼び戻しができるようになったので河原で放せるようになった。
最初のころ水が怖くて泳げなかったが細身のシルエット、長い手足。今では一番泳ぎが上手くなった。
テールだけで対岸まで泳ぎきり、そのまま土手を超えて行方不明になってしまったことがある。
じゅん先生が何度も叫んだが戻らずじまい。
警察から連絡をもらって引き取りに行った。対岸で猫のえさの匂いに吸い寄せられ食べに行ったようだ。
そこのお宅の方と近所のご婦人たちに可愛がられていた。
テール君のせいでウチは何度も菓子折りをもってお礼に行った。
そうこうしているうちに大池の森林組合の方がテールを見つけてくれた。
その日、じゅん先生は大池を4往復した。

